大学のファンドレイザー養成プログラム「ファンドレイザーフォーラム」の「寄付獲得のためのホームページ作り」の講義を受け持って11年目になりました。今年2回目は、第1グループ向けです。(第1グループは10/13実施済。)
この仕事のきっかけになったのは、2005年から慶應義塾の「創立150年記念事業」で、2006年から東京大学の「東大基金/創立130年」で、それぞれ数年間ネットを使った寄付集めのお手伝いをしたことです。その後、当時の東大総長だった小宮山先生が学術芸術領域での寄付文化・社会的投資文化を目的とする社団法人 Japan Treasure Summit (略称 JTS、現在は公益社団法人)を立上げられ、その活動として複数の大学向けに毎年開催しているフォーラムのプログラムとしてこの講義を2013年から担当しています。
このテーマに取り組んで約20年の間に、全体としての状況や課題も変わってきました。大学間で取組のスタイルも多様になっています。今回は、これまでの知見をもとに基金サイトの4つのモードを切り出して、それぞれに現在どのモードの組みあわせで次に何を目指すかを考えながら聞いていただきました。大学の基金サイトとは独立に、クラウドファンディングやSNSを活用した活動M4(モード4)が加わる事例も複数出てきました。
参加された大学をご紹介します。(五十音順)
私学
- 関西大学へのご寄付について
https://www.kansai-u.ac.jp/bokin/ - 関西学院へのご支援について
https://www.kwansei.ac.jp/giving/ - 九州産業大学募金サイト
https://www.kyusan-u.ac.jp/donation/ - 駒澤大学へのご支援(寄付)
https://www.komazawa-u.ac.jp/bokin/ - SOPHIA未来募金(国際基督教大学)
https://giving-sophia.jp/ - 大東文化大学 募金のご案内
https://www.daito.ac.jp/kifu/
国公立
- 岐阜大学基金
https://www.gifu-u.ac.jp/fund/ - 九州大学基金
https://kikin.kyushu-u.ac.jp/ - 京都大学基金
https://www.kikin.kyoto-u.ac.jp/ - 千葉大学基金
https://kikin.chiba-u.ac.jp/ - 筑波大学基金
https://futureship.sec.tsukuba.ac.jp/ - 名古屋大学基金
https://kikin.nagoya-u.ac.jp/ - 北大フロンティア基金
https://www.hokudai.ac.jp/fund/ - 山形大学基金
https://www.yamagata-u.ac.jp/jp/fund/ - 横浜市立大学基金
https://www.yokohama-cu.ac.jp/giving/kifu/
博物館
- 国立科学博物館 寄付のお願い
https://www.kahaku.go.jp/about/donation/
16の機関全体のHPと基金ページ、そして実際の寄付状況に関して、講師の分析結果を示しながら個々の結果や課題をレクチャーします。
今年は外部視点の調査としてWebページの”重さ”や”使い易さ”の客観評価を参照し、場合によってはアクセス者が動線からの離脱を招くことを内容に加えました。
また、毎年継続して各大学のウェブサイトの分析を行っているため、おのずとリニュアル等による変化も確認できます。内部視点調査としてアクセスログのデータを持ち寄りはじめて6年目。今回は、継続して参加されている大学についてその間の変化を振り返って、基金名称やURLの変更に伴って生じたことを振り返りました。
- 外部視点調査/結果共有
- サイトの”重さ”と”使いやすさ”。特にスマホからのアクセスに着目。
- 内部視点調査/サイトへの流入動線の理解と対策
- 検索エンジンでの検索ワード
- 大学のウェブサイトからの動線の理解と対策
- 寄付者のシナリオと動線
- コミュニケーションのキーになる「名前」
- 動線の障壁となるものの識別と対応
2020年にCOVID-19が大きな社会問題となり、本講座もオンラインでの開催などの対応を強いられましたが、今年度は皆さんと対面することができました。
今年の参加校は過去最多。そして、それぞれの方向性や現時点での状況も多様になっています。初参加の国立博物館は、最近クラウドファンディング『地球の宝を守れ|国立科学博物館500万点のコレクションを次世代へ』が大きな話題になっています。1億円の目標に対してこの日の時点で約7億9千万円を集めていました。これまで積み上げてこられたものと今回の成果との関係について話題にさせてもらいました。
(文責:弊社取締役・本間浩一)